Vapeの沼でダイビング

Vapeにハマった者の備忘録

温度管理とTCR値

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今流行りの温度管理。

温度管理の仕組みとそのカスタマイズとしてTCR値について今回は書いていきたいと思います。

VapeのModでの温度管理は、温度管理していません。

??と思った方、正しいです。
Modは温度を管理しているのではなく、「抵抗値」を管理しています。

一部の物質を除き、ほとんどの物質は「温度が上がると、抵抗値が高くなる」という性質を持っています。
この特性を活かしたのが「温度管理」ということになります。

TCR値とはその性質をあらわした値であり、この値が高いほど温度による抵抗値変化が大きいことになります。
Modにおける温度管理が抵抗値を管理しているので、このTCR値が高いほど精度が高まります。

よくつかわれるTCRを見てみましょう。

素材 TCR
(10-6)
eVic VTwo Miniに
入力するTCR
(10-5)
100oC
上昇すると
100oC
上昇すると
Kanthal A1 2 0 0%上昇 0.00Ω上昇
(元が1.0Ω)
SS 316 880 88 9%上昇 0.05Ω上昇
(元が0.6Ω)
Titanium 1 3660 366 37%上昇 0.15Ω上昇
(元が0.4Ω)
Nickel Ni200 6000 600 60%上昇 0.12Ω上昇
(元が0.2Ω)
Nifethal 52 4036 404 40%上昇 0.16Ω上昇
(元が0.4Ω)

少し前に「Kanthal A1でも温度管理が出来る!」と、まことしやかな噂が流れましたが上表のTCR値を見ると絶望的です。

TCR値を見ると、やっぱりニッケルは優秀。
次いで、チタンとニッケル鉄でしょうか。
ステンレスも大丈夫ですが、他の素材に比べると温度管理が荒くなりそうです。

<参考:TCR値>
出典:Steam Engine Wire wizardの左側「TCR in vaping range」の値

素材 TCR
(10-6)
eVic VTwo Miniに
入力するTCR
(10-5)
Kanthal A1 / APM 2 0
Kanthal A / AE / AF 54 5
Kanthal D 54 5
Nichrome N60 (C) 178 18
Nichrome N80 (A) 112 11
SS 304 1016 102
SS 316 880 88
SS 316L / Elite 879 88
SS 317L / Haywire 940 94
SS 321 917 92
SS 430 1380 138
Gold 3400 340
Silver 3800 380
Copper 3862 386
Titanium 1 3660 366
Titanium 2 (R50400) 3525 353
Tungsten 4500 450
Nickel Ni200 (linear TCR) 6000 600
Nickel Ni200 (TFR curve) 6087 609
NiFe30 (Resistherm) 3200 320
NiFe (Reactor Wire) 4000 400
NiFe30 (StealthVape) 5000 500
Invar 36 / Nilo 36 / Pernifer 36 1116 112
Nickel DH 7036 704
Nifethal 70 (Alloy120) 5250 525
Nifethal 52 (Alloy52) 4036 404