クラプトンコイルに必要なワイヤー長 その2
クラプトンコイルに必要なワイヤー長の実際の計算方法です。
前回以下の記事で必要なワイヤー長を示しましたが、今回はその具体的な方法です。
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例として、28AWG2本をコアにしてに、32AWGを巻く、ヒューズドクラプトンワイヤーを150mm作るための巻線の長さを算出してみます。
まずコアとなる素線の直径を対応表から当てはめます。
28AWGの直径は0.32110mm今回はコアが2本なので、1周に必要な巻線は以下の通りになります。
なお、コアの本数によって黄色の部分の長さが異なってきます。
0.32110×3.14(青色:両端の円周部分)+0.32110×2(黄色:直線部分)=1.65045mm
巻線を1巻すると、巻線の直径分横に進むことになります。
今回は32AWGですので、1巻で0.20190mm進みます。
150mmのワイヤーを作成しますので、以下の巻き数が必要です。
150mm÷0.20190mm≒743巻1巻あたりの長さと必要な巻き数が算出できたので、掛け合わせて必要なワイヤー長を算出します。
1.65045mm(1巻あたりの長さ)×743巻(必要な巻き数)=1,226mm
このようにクラプトンコイルを作成するには、巻線がかなりの長さが必要です。
クラプトンコイルの作成時は、巻線が必要な分あるか確かめてからの方がよさそうです。
なお、エクセルで簡単に求められるように以下の表を作成しました。
基本情報を入力すると、必要なワイヤー長が簡単に求まるものです。
対応しているゲージは20AWG~50AWGです。
表をコピーして、A1に張り付けるとそのまま使用できます。
(基本情報) | AWG | 直径(mm) | |||
---|---|---|---|---|---|
素線 | 28 | AWG | 20 | 0.8118 | |
2 | 本 | 21 | 0.7229 | ||
150 | mm | 22 | 0.6438 | ||
巻線 | 32 | AWG | 23 | 0.5733 | |
24 | 0.5106 | ||||
25 | 0.4547 | ||||
(計算補助) | 26 | 0.4094 | |||
素線直径 | =VLOOKUP($B$2,$E$1:$F$32,2,FALSE) | mm | 27 | 0.3606 | |
巻線直径 | =VLOOKUP($B$5,$E$1:$F$32,2,FALSE) | mm | 28 | 0.3211 | |
素線1巻 | =B9*3.14+2*(B3-1)*B9 | mm消費 | 29 | 0.2859 | |
=B10 | mm進む | 30 | 0.2546 | ||
巻線が | =B4/B12 | 巻必要 | 31 | 0.2268 | |
32 | 0.2019 | ||||
33 | 0.1798 | ||||
(計算結果) | 34 | 0.1601 | |||
巻線が | 35 | 0.1426 | |||
コイル一つ当たり | =B11*B13 | mm必要 | 36 | 0.127 | |
37 | 0.1131 | ||||
=INT(B18/1000) | m | 38 | 0.1007 | ||
=INT((B18-B20*1000)/10) | cm必要 | 39 | 0.08969 | ||
40 | 0.07937 | ||||
41 | 0.07113 | ||||
42 | 0.06334 | ||||
43 | 0.05541 | ||||
44 | 0.05023 | ||||
45 | 0.0473 | ||||
46 | 0.03984 | ||||
47 | 0.03547 | ||||
48 | 0.03159 | ||||
49 | 0.02813 | ||||
50 | 0.02505 |